心理学用語

授かり効果(Endowment Effect)とは、自分が所有しているモノやサービスを、所有していない場合よりも高く評価してしまう心理的現象です。

授かり効果は、1979年にアメリカの経済学者であるダニエル・カーネマンとティモシー・シャーリットによって提唱されました。彼らは、被験者にランダムに割り当てられたボールを売却してもらおうと試みたところ、被験者のほとんどが、ボールの価値よりもはるかに高い金額を要求したのです。この実験から、人は自分が所有しているモノを、所有していない場合よりも高く評価する傾向があることが明らかになりました。

授かり効果は、様々な場面で観察されています。たとえば、人は自分が持っている株を、市場価格よりも高く評価し、売却を渋る傾向があります。また、人は自分が持っている車を、市場価格よりも高く評価し、買い替えをためらう傾向があります。

授かり効果は、合理的な経済行動とは一見矛盾するように思えます。しかし、授かり効果は、人間が損失を避ける傾向にあるため、合理的な行動であると捉えることもできます。人は、自分が持っているモノを失うことを恐れ、そのために高い価値をつけてしまうのです。

授かり効果は、経済活動に様々な影響を及ぼします。たとえば、授かり効果により、市場価格よりも高い価格で商品が取引されることがあります。また、授かり効果により、商品の売却が遅れたり、買い替えが遅れたりすることがあります。

授かり効果は、人間の心理的な現象であり、完全に排除することはできません。しかし、授かり効果を理解することで、経済活動をより合理的に行うことができます。

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