心理学用語

究極的な帰属の誤り(Fundamental Attribution Error)とは、他人の行動を説明する際に、その行動の原因を内発的な要因(性格、能力、意図など)に帰属させる傾向を指す。この誤りは、他人の行動を理解する際に大きな障害となる。

究極的な帰属の誤りは、1972年にアメリカの心理学者フィル・スティーブンソンによって提唱された。スティーブンソンは、被験者に対して、ある人物が失敗した状況をシミュレーションさせた。その結果、被験者は、失敗した人物の性格や能力に問題があると判断する傾向があった。

究極的な帰属の誤りは、いくつかの要因によって引き起こされると考えられている。一つは、人間は、自分自身と他人を異なる基準で評価する傾向があるということだ。自分自身に対しては、状況的な要因を重視する一方で、他人に対しては内発的な要因を重視する傾向がある。これは、自分自身をコントロールできることを信じているためだと考えられている。

もう一つの要因は、人間は、他人の行動を観察する際に、その行動の背景や状況を十分に理解していないということだ。そのため、他人の行動を内発的な要因に帰属させてしまう傾向がある。

究極的な帰属の誤りは、人間関係やビジネスにおいて、大きな問題を引き起こす可能性がある。例えば、上司が部下の失敗を性格や能力のせいにして叱責すると、部下のモチベーションが低下し、パフォーマンスが悪化する可能性がある。また、顧客が商品を返品した際に、店員が顧客の性格や能力のせいにして対応すると、顧客は不満を持ち、離反する可能性がある。

究極的な帰属の誤りを避けるためには、他人の行動の背景や状況を十分に理解する必要がある。また、自分自身と他人を異なる基準で評価する傾向があることを認識し、客観的に評価するように努める必要がある。

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