2種類の誤リ
心理学における「2種類の誤リ」
心理学における「2種類の誤リ」という単独の概念は存在しません。
しかし、統計的仮説検定において、第1種の誤りと第2種の誤りという2種類の誤りが区別されます。
1. 第1種の誤り(α誤り)
第1種の誤りとは、真の帰無仮説を棄却してしまう誤りです。
具体的には、実際には正しい仮説であるにもかかわらず、統計分析の結果、誤ってその仮説を否定してしまうことを指します。
第1種の誤りの確率は、有意水準(α)と呼ばれる確率で表されます。
有意水準は、一般的に5%(α = 0.05)に設定されます。
つまり、有意水準5%の場合、真の帰無仮説を棄却してしまう確率は5%ということになります。
2. 第2種の誤り(β誤り)
第2種の誤りとは、真の対立仮説を見逃してしまう誤りです。
具体的には、実際には間違っている仮説であるにもかかわらず、統計分析の結果、誤ってその仮説を正しいと判断してしまうことを指します。
第2種の誤りの確率は、検出力(1 - β)と呼ばれる確率で表されます。
検出力は、真の対立仮説を正しく検出できる確率を表します。
検出力は、有意水準とサンプルサイズによって決まります。
一般的に、有意水準が低く、サンプルサイズが大きいほど、検出力が高くなります。
3. 第1種の誤りと第2種の誤りのトレードオフ
第1種の誤りと第2種の誤りは、トレードオフの関係にあります。
つまり、一方の誤りの確率を低くすると、もう一方の誤りの確率が高くなるということです。
具体的には、有意水準を低くすると、第1種の誤りの確率は低くなりますが、第2種の誤りの確率は高くなります。
逆に、有意水準を高くすると、第2種の誤りの確率は低くなりますが、第1種の誤りの確率は高くなります。
4. 心理学における「2種類の誤リ」の重要性
統計的仮説検定は、心理学研究においても広く用いられています。
そのため、心理学研究においても、第1種の誤りと第2種の誤りを考慮することが重要です。
第1種の誤りを犯してしまうと、誤った結論を導き出してしまう可能性があります。
一方、第2種の誤りを犯してしまうと、正しい結論を見逃してしまう可能性があります。
結論
心理学における「2種類の誤リ」という単独の概念は存在しませんが、統計的仮説検定において、第1種の誤りと第2種の誤りという2種類の誤りが区別されます。
これらの誤りは、心理学研究においても重要であり、研究結果を解釈する際には、常に考慮する必要があります。
参考URL:
23-4. 第1種の過誤と第2種の過誤 | 統計学の時間 | 統計WEB https://bellcurve.jp/statistics/course/9315.html