進化心理学
心理学における「進化心理学」とは？
進化心理学は、人間の心理がどのように進化してきたのかを探求する学問です。具体的には、ヒトの祖先が生き残り、繁殖するために有利だった心理的形質が、自然淘汰によって現代人に受け継がれてきたという考え方です。
例えば、恐怖や怒りなどの感情は、危険を察知し、回避するための行動を促す役割を果たしてきました。また、共感や協力などの社会的な能力は、集団で生活し、協力することで生存確率を高めるために重要だったと考えられています。
進化心理学は、以下の方法を用いて研究が行われています。
比較心理学: 異なる動物や文化における心理的な違いを比較することで、ヒトの心理的形質の普遍性や特異性を明らかにする
発達心理学: ?幼儿から大人までの心理の発達過程を研究することで、心理的形質がどのように獲得されていくのかを明らかにする
脳科学: 脳の構造や機能を研究することで、心理的形質の神経基盤を明らかにする
遺伝子研究: 遺伝子の役割を研究することで、心理的形質の遺伝的基盤を明らかにする
進化心理学は、人間の心理を理解するための強力なツールを提供することができます。しかし、進化心理学には以下のような批判も存在します。
汎適応主義: 進化心理学は、ヒトの心や行動のすべてを適応（生存と繁殖）と結びつけているという批判
還元主義: 進化心理学は、ヒトの心や行動の理由を「進化の結果」の一言で片づけてしまうという批判
遺伝子決定論: 進化心理学は、ヒトの心や行動のすべてが遺伝子に支配されていると主張しているという批判
これらの批判を踏まえながらも、進化心理学は、人間の心理を理解するための重要な視点を提供する学問分野であると言えます。
参考URL:
進化心理学 - Wikipedia：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6
書斎の窓 2018年5月号 人生の智慧のための心理学⑥ 「進化」と「生き方」：https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssp/39/3/39_B3903/_html/-char/en
進化心理学で言えること・言えないこと（早稲田大学文学部教授：福川康之） #その心理学ホント？：https://www.waseda.jp/flas/glas/assets/uploads/2021/10/1911d9eac8d4632b8b7d02d94006087e.pdf
進化心理学は、人間の心理を理解するための複雑で魅力的な学問分野です。上記以外にも、様々な議論や研究が行われています。心理学における進化心理学についてもっと詳しく知りたい場合は、上記の参考URLなどを参考にしてみてください。
