可謬主義
心理学における「可謬主義」とは?
可謬主義(かびゅうしゅぎ、英: Fallibilism)は、「知識についてのあらゆる主張は、原理的には誤りうる」という哲学上の学説です。知識が絶対に確実であることは不可能であるとまで論ずる可謬主義者たちもいます。
可謬主義は、古代ギリシャ哲学の懐疑主義に起源を持つと考えられています。ソクラテスは、自分が何も知らないことを知っているという「無知の知」を提唱しました。プラトンは、感覚で知覚できるものは真の知識ではなく、真の知識はイデアの世界にあると考えました。
近代では、ジョン・ロック、デヴィッド・ヒューム、チャールズ・サンダース・パースなどが可謬主義の代表的な論者です。
ロックは、人間の知識は感覚経験に基づいていると考えました。ヒュームは、感覚経験は必ずしも真実を反映しているわけではなく、人間の知識は常に誤りの可能性を含んでいると考えました。パースは、知識は常に修正され続けるものであり、絶対的な真の知識は存在しないと考えました。
可謬主義は、以下のような点で重要です。
科学の発展を促進する
ドグマや偏見を防ぐ
批判的な思考を促進する
可謬主義は、現代の心理学にも大きな影響を与えています。認知心理学では、人間の認知は必ずしも正確ではないことが明らかになっています。また、社会心理学では、人間は他者からの情報に影響されやすく、誤った判断を下しやすいことが明らかになっています。
可謬主義は、人間の知識の限界を認識し、常に学び続けることの重要性を示唆する重要な哲学です。
参考URL
可謬主義 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E8%AC%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9
可謬主義とは? 哲学における「誤り得る」という考え
https://forbesjapan.com/tag/detail/brain
その他
可謬主義についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の書籍を参照してください。
バートランド・ラッセル著『懐疑主義の歴史』
ウィリアム・ジェームズ著『プラグマティズム』
カール・ポパー著『論理の探求』